整腸作用と腸内環境の改善

便秘に悩んでいる人は非常に多く、女性の半分、男性の4分の1は便秘に関する悩みを抱えているという統計データもあります。

それほどまでに身近でありながら、しかしなかなか解消できない便秘という症状。便秘の原因は複合的なものでいろいろとありますが、腸内環境の悪化はその要因のひとつです。

逆に考えれば、腸内環境を良くすることによって便秘を解消したり予防したりできるかもしれないということ。それでは、実際にビフィズス菌などの善玉菌を増やすことは、便秘に対してどれほど効くものなのでしょうか。

ここでは、ビフィズス菌の整腸効果と、腸内環境を改善するための総合的な方法を説明します。

ビフィズス菌の整腸効果

ビフィズス菌の整腸効果は別のページでも説明しましたが、「腸管を刺激してぜんどう運動を促進する」「悪玉菌を抑えて有害物質の増加を抑える」の2つがあります。

腸はぜんどう運動と呼ばれる筋肉の動きで、ウンチを肛門のほうへと運んでいきます。この働きが何らかの原因で弱まると便秘になってしまうのですが、ビフィズス菌がつくりだす乳酸や酢酸はこの働きを促進します。

また、同じくこの酸が、悪玉菌の増殖を抑えます。悪玉菌はタンパク質を分解して腐敗させ、有害物質をつくりだします。

そのようにしてつくりだされたアンモニアやアミン、硫化水素などの有害物質が便やおならを強烈な臭さにしたり、体調不良を引き起こしたりします。これを改善する働きが、ビフィズス菌にはあるのです。

ほかにも、ビフィズス菌や乳酸菌の菌体成分が免疫細胞を刺激することで、ナチュラル・キラー細胞やほかの免疫細胞が活性化して、病原菌からカラダを守るチカラを強くするという効果もあります。

病原菌が体内に侵入すれば各器官が影響を受けて不調になり、便秘や下痢を引き起こす可能性もあります。そういった意味で、ビフィズス菌には整腸作用があると言えます。

腸内環境を改善する方法

腸内環境を改善するには、ヨーグルトや乳酸菌飲料、味噌、漬物、醤油、納豆、キムチなどを常食して、善玉菌を増やす必要があります。

これらの食事によるビフィズス菌や乳酸菌の摂取に加えて、悪玉菌が増殖する原因となる肉類(タンパク質)の摂取を控えることなどの食生活の調整が必要です。

さらに、食生活だけでなく、睡眠や運動など生活習慣全般を改善することも有効です。悪玉菌は生活習慣が乱れると増えやすいという傾向があるので、それを防ぐことが大事です。

さらに、ストレスケアも必要です。ストレスは悪玉菌を増やし、善玉菌を減らす作用があると考えられます。実際に、健康な人の腸内環境が、強いストレスを受けて老人のような状態になったという事例もあります。

食事内容、食生活、生活習慣、ストレスなどに気をつけて生活をおくり、腸内環境を整えていきましょう。

[ トップページ ]

このページのトップへ↑
inserted by FC2 system